越谷オサム 「いとみち」のあらすじ感想!アニメ化期待の声も

アニメやドラマ・映画など昨今では数多くの作品が制作されています。

それらは、漫画や小説などを原作とするものが多い状況です。

プロデューサー等の映像関係者は次にヒットしそうな、映像化できる作品を常に求めているそうですが、今回はアニメ化が期待される作品のひとつ「いとみち」を取り上げ、作品紹介、あらすじ、そして感想などをお伝えしていこうと思います。

越谷オサム『いとみち』とは

『いとみち』単行本表紙

 

『いとみち』は出版社は新潮社、イラストはもりちかさんの作品で、2011年8月20日に発行されています。

 

続いて越谷オサム作『いとみち』をご紹介していきます。

作者:越谷オサム

越谷オサム氏は、松本潤・上野樹里主演『陽だまりの彼女』(新潮社)で映画化もされた作品の原作者でもあります。こちらもおすすめの小説です。

1971年東京都出身。

2004年、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞

『ボーナス・トラック』でデビュー

あらすじ

高校生になってまだ間もない主人公・相馬いと。青森県の地方に住んでいる。

ひどい津軽弁の訛りと引っ込み思案な性格をなんとかしたいと思い、いとはアルバイトをすることに。そのアルバイト先はなにを血迷ったのか、メイドカフェだった。

人生初のアルバイトがメイドカフェ。そんないきなりハードルが高いアルバイトをいとはやっていけるのか。

いとの挑戦がいま始まる―――。

 

『いとみち』を読んでの感想

これが わぁの”いとみち”!

物語の始まりを予感させてくれる。その瞬間がいつもワクワクする。次はどんな世界を見せてくれるのだろうかと。

わざわざ電車で約1時間かかる青森市までメイドカフェに通っているいと。メイドさんの恰好をお客相手とは言え、見知らぬ人に見られること自体気恥ずかしいものがある。もし、クラスメイトに出会ってしまった暁には、いとの心臓が飛び出さないだろうかと心配になる。

そのくらい、いとは小心者で臆病な女子高生なのだ。

 

いととばあちゃん

おまけにいとは、ばあちゃん譲りの強烈な訛りを喋る女の子だった。それで接客業をやろうなんて、きちんと勤まるのだろうか。

そのばあちゃんだが、いとを上回る訛りで喋る。もはやその言葉は日本語で表現されてはいない。ほとんどが記号なのだ。

「♈∽☆∽∠」

すごい。すごすぎる。何て言っているのか全然分からない。

だが安心してほしい。巻末にばあちゃんの暗号を解読することができる50音表がついてくる。そこと照らし合わせながら読めば、ばあちゃんがなんて言っているか理解できるようになっているから。

 

応援してあげたくなる

いとは、メイドカフェの定番セリフ「お帰りなさいませ、ご主人様」さえもまともに言えないけれど、中学生と見紛うような小柄な体躯、ドジっ子、人見知りだけど、それが見ている人の心を掴み、いつしか応援してやりたくなるのだ。

いとには特技がある。それは津軽三味線だ。しかし、高校生になってからは訳あって練習していない。ばあちゃんから三味線をしないかとの声がしきりに掛かるのだが、いとは何かと理由をつけて避けてる状況だ。

いとが再び三味線を手に取るようになる日はいつになるのだろうか。

ドジっ子等の属性に加えて、津軽三味線まで弾けるだなんて・・・。なんたる最強属性の持ち主!

作者の越谷オサム氏は、『陽だまりの彼女』といい、魅力的なヒロインを描き出すのが得意な方だと思う。

 

メイドカフェのスタッフ

いとが働くメイドカフェのスタッフたち。店長、従業員の智子と幸子、そしてトドのオーナー。いや、トド似のオーナー。

いとは客にまともに接客することはおろか、スタッフのみんなにさえ、いつもおっかなびっくりでいる。相手の一挙手一投足にビクビクしているのだ。

そんなんだからいとは、勤務初日からして早くも「辞めたい」と思ってしまう。

物語の構成、盛り上がり方、展開の仕方が良い。泣き虫ないとの目を通して、一喜一憂することができる。いとの繊細な心の動きが描かれており、感情移入しやすい。

店のスタッフたち、顔なじみになってきたお客さんたち、そして高校生になってできた学校の友達。いろんな人たちと接することによって、いとは今まで知らなかったこと、知らなかった感情を獲得していく。

いつしかいとは、店を辞めたいと思わなくなっていた。

 

いとと母

いとには母がいない。幼い頃に亡くなったのだ。

三味線と「いと」というダサい名前と母の関係を知った時、家族の強いきずなや結びつきを再確認することができる。

確かに、いとには母がいないかもしれない。けれど、それでも彼女の周りにはこんなにも優しく温かく迎え入れてくれる人たちが大勢いる。その優しさに胸が熱くなる。

『いとみち』読者のコメントは?

 

まとめ

今回は、アニメ化が期待される小説「いとみち」をご紹介しました。

過去にあった『陽だまりの彼女』は実写映画でしたが、『いとみち』はアニメーションでの映像化を望む声があります。アニメーションでなければ、この主人公の可愛らしさを表現できないでしょう。

自分が「これは!」と思う作品がドンピシャで映像化されたら嬉しいですね。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。