【ガンダムオリジン前夜赤い彗星】主題歌の歌詞とストーリーの関連は?

現在NHK総合にて毎週月曜0:35(一部地域除く)から「ガンダムオリジン(THE ORIGIN)前夜赤い彗星」が放送されていますね!

テレビ放送では現在10話までが放映されていますが、回を追うごとに主題歌の歌詞とストーリーとの関連性が気になるところです。

この記事では、そんな「ガンダムオリジン(THE ORIGIN)前夜赤い彗星」の主題歌の歌詞とアニメストーリーに関連はあるのかということについて考察してみました!

ガンダムオリジン主題歌の歌詞とアニメストーリーの関連性は?

 

「ガンダムオリジン(THE ORIGIN)前夜赤い彗星」は、2015年から劇場などで公開された6部作「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を再編集したものです。

テレビ向け再編集にあたってまず特筆すべきは主題歌の多さではないでしょうか。

ガンダムを愛する制作サイドの思いの一端が、主題歌群に結晶となってあらわれているようにも感じられます。

オープニングテーマ・エンディングテーマを合わせて7曲が予定され、エンディング第4弾以外はすでにテレビでも放映されています。

 

その主題歌の中でもオープニングテーマに焦点を当て、今回のテレビ放映のために書かれた新曲2曲について、歌詞とアニメストーリーの関連性を考えてみました!

オープニングテーマ第1弾 :宇宙(そら)の詩(うた) 〜Higher and Higher〜

この曲は、第1話「ジオンの子」から第4話「さよならアルテイシア」までの4話で使用されました。この間のストーリーは以下のような内容です。

 

キャスバルとアルテイシアは父を殺され、母を幽閉され、ムンゾを逃れて地球へ亡命。

地球でもザビ家の襲撃を受けて「ザビ家への恭順」を示すべくルウムへ移住し、そこでシャア・アズナブルと出会う。

母が祖国で亡くなり、ザビ家への復讐を胸にアルテイシアを置いて旅立ったキャスバルは、「シャア」になりすますことに成功する。

 

それでは、歌詞との関連はどうなっているでしょうか?

終わりなき 痛みさえ 包んでしまう 果てなき宇宙(ソラ)…

この部分は、荷物に紛れてムンゾを脱出したときに、キャスバルが初めて見た宇宙のことを思わせます。

父を殺されて、母が幽閉されて、強い怒りをあらわに戦いながらドッキング・ベイまで来て、やっと脱出がかなったとき、キャスバルの心には広大な宇宙へ出た晴れやかさと同時に母への想いがあったに違いありません。

 

父を失い、母と離れた痛み。そしてその先に母が亡くなり、ザビ家に復讐を誓った心の痛み。それさえ包んでしまう宇宙が、ムンゾ脱出の時以来彼の心にあるのではないでしょうか。

 

このとき見た宇宙が、今後のキャスバルの宇宙での戦いを、良きにつけ悪しきにつけ支えていくことになるのだと思わされます。

彼にとって宇宙とは、「聖戦…殺戮の時…」を行うものであり、そのためにルウムを出て渡った空間であると同時に、「痛みさえ 包んでしまう」ものでもあるという、全てをはらんだものとしての宇宙が、物語とリンクしつつ曲全体を通して提示されているように感じます。

 

止まない この想い 星降る静寂の宇宙(そら)に

放った 本当の声は 儚く かき消されてゆくまま

「止まない この想い」もまた、母への思慕とザビ家への復讐との両面を併せ持つフレーズですね。

そして「本当の声」も、妹を守るため、ほぼ口にすることのなかった母への想いと同時に、この先復讐を実行していくシャア(キャスバル)の、ザビ家の人間を殺したからといって晴れることのない、複雑な精神状態を表しているとも言えそうです。

彼は結局、人生で「本当の声」を発したのだろうか…という切なさ、儚さを暗示しているようですね。

 

正義はどちら側の 愛するものを守って

という箇所も印象的で、これは後の10話に出てくるドズルの葛藤と決意を示唆しているように思われます。

コロニー落としを決行したのち、ドズル・ザビは「わが子一人でさえこんなに可愛いのに、たくさんの人の子を殺してしまった」と短時間ではあっても葛藤し、苦しみます。

一面的な善と悪の戦いではないガンダムの世界観がこぼれ出たようなフレーズですね。

 

オープニングテーマ第2弾 :悲壮美

第5話「シャアとガルマ」から第8話「ジオン公国独立」までの4話で使用されました。この間のストーリーは以下のような内容です。

 

士官学校でガルマと出会ったシャアは、少なくともガルマにとっては「友情」と呼びうるものを育てていく。

ガルマをたきつけて連邦軍を武装解除させ、自身は軍を除隊。

地球で不思議な力をもつ少女ララァと出会ったのち、軍に復帰したシャアはモビルスーツのエースパイロットとなった。ジオンは独立を宣言して、戦争が始まる。

 

それでは、歌詞との関連性はどうなっているでしょうか?

この曲は、アルテイシアとの別れの場面を集中的に歌っている感じがありますね。

確信が深まったのなら 旅立とう一人で

ここは、ザビ家のせいで父も母も死んだのだという確信と、「自分が復讐をするのだ」という決心と、「シャアがサイド3の士官学校に行くことを利用すれば、ザビ家に接近できる」という確信など、母が亡くなって旅立つときのキャスバルの心情のすべてを指しているのではないでしょうか。

 

何も残さずに行くから… 自分さえ消すように…

という部分は、シャアがキャスバルの身代わりとなって死亡し、「キャスバル・レム・ダイクンは死んだ」という事実が作られたことを意味していると同時に、キャスバルの心から復讐以外のものを消していく、という悲壮な表明のようにも感じられますね。

 

さよなら…温もりに触れてしまえば…

離れられなくなる 僕は そっと瞳を隠してた

そのとおりの別れをして、キャスバルは旅立ちました。

アルテイシアとの別れの場面を連想させる曲が、すでに別れた後のストーリーの主題歌に採用されているということが、キャスバルがアルテイシアと別れることで置いてきたものの大きさを思わせます。

本人はまったくそういうところを見せない分、かわりに主題歌が暗示しているように感じられませんか?

 

まとめ

「ガンダムオリジン(THE ORIGIN)前夜赤い彗星」主題歌の歌詞とアニメストーリーの関連はある?ということについて、各主題歌に対する考察のひとつをお伝えしてきました。

「音楽まで含めてガンダムの世界である」ということが今作においても強く継承されていて、視聴者は心ゆくまでガンダムの世界観にひたることができそうですね。

このあとのテレビ放映では、第4弾エンディングテーマの放送が予定されています。そちらも楽しみですね!